かなり前にバイラルヒットした、ユダヤ系アメリカ人のコメディアン・ラッパー Lil Dicky と Chris BrownのFreaky Friday。
最初ビデオを観た時は、なんじゃこりゃ？！と思いましたが、聴けば聴くほど、観れば観るほどにハマってしまうほどの妙な中毒性があります。
元ネタは、2003年のリンジー・ローハン主演のコメディ映画・Freaky Friday（邦題:フォーチュン・クッキー、1976年のリメイク）、母娘の身体が入れ替わってしまうというものです。
Lil Dicky 曰く「1日だけでも誰かと入れ替わるなら、カッコよくて、歌も上手くて、ダンスもできる、そんな人になりたいと思ったんだ。その時にまず最初に頭に浮かんだのが、Chris Brownだったんだ。」のこと。
それと例の映画を観た事がこの曲を作るキッカケだったんだとか。そして、本当に本人とコラボしちゃうところが凄い！！
Chris Brownは、アメリカ人なら誰もが知っているであろう若き音楽・ダンス界のスターです。ちなみに彼は1989年5月5日生まれ、で私と同世代です。
PVはストーリー仕立てになっていて、歌詞やその内容も面白い。
ビデオはLil Dicky 御一行が中華レストランに訪れている場で、見知らぬ男性に「君はラッパーらしいラッパーじゃないだろう？」等とからかわれて、落ち込むシーンから始まります。
店内のTV番組では、Chris Brownがスターであるこのと苦悩を語っており、それを見て「他の誰かになれたらいいのに…」と思いながらフォーチュンクッキーを割ると、中華料理店の男性の不思議な力によりChris Brownと身体が入れ替わってしまうというストーリー。
Chris Brownの身体になり、富も名声もかわいい女のコたちも手にしたLil Dicky は豪遊して、やりたい放題。
一方CBは、最初はLil Dickyであることについて不満に感じていましたがパパラッチには追いかけ回されないし、人種や過去の騒動について周りからあれこれ言われず、段々心地良いと感じるようになります。
【物議を醸している問題の歌詞に秘められた真意とは？】
CBになったLil Dickyが、「あれっ、じゃあNワード（アフリカ系アメリカ人に対する差別用語）言っちゃっていいの？！」と、ふざけて連呼する場面があります。（もちろん入れ替わったフリをしているCBが言っているのですが。）
これ、笑っていい所なのか分からなかったしあえて連呼するのに何か意味があるのかな？と思っていたら、その理由についてLil Dickyは、「なぜヒスパニック系やその他多くのラッパー達が、Nワードを使っているのかが、分からない」
「ラッパー達はNワードを多用するけど、じゃあ、俺もユダヤ系に対する差別用語を言いまくっても良いってことになるよね？」とコメントしていました。
つまりNワードを多用し、それを認めてしまっている風潮に対する、皮肉なんですね。
多用することによって差別用語であるという認識が薄まっていきますし、実際に全く関係のない人たちまで使いだしています。
言葉は生き物であり、常に変化するものですけれど、差別用語が常用化されて良いのか？と、Lil Dickyは警鐘を鳴らしています。
例えばですが、日本人が外国人からジャップと言われたらもちろん腹が立つでしょうけど、その言葉を私達が日常的に使ってしまうと、使う者や聞く側の意識もどんどん薄れていくことになるでしょう。
また、これは私の見解ですが遊び呆けているシーンは、願いが叶って欲望のままに遊ぶLil Dickyに、CBの遊び過ぎた過去を投影して反省しているようにも見えます。実際CBは、過去に様々な問題を起こしましたが、娘が生まれてから生活だけでなく音楽面にも大きな変化があったように感じます。これについては、また後日書きたいですね。
コメディ要素たっぷりのリリックの中に、様々なメッセージを織り込んでしまうおそるべしLil Dicky。
Freaky Fridayがキッカケで彼の楽曲をよく聴くようになったのですが、他にも面白い曲がたくさんありますので、また紹介したいです。
✴︎ビデオのみどころ✴︎
・中華料理店の不思議な力を持つ男性が、色んな格好で色んなシーンにまぎれ込んでいる
・2人の身体がまるで本当に入れ替わったかのような演技
・CBの激うまダンスと、Lil Dickyのへっぽこダンスの対比
・ビデオの3:28でLil DickyになったCBが「娘を学校に行かせていれば良いのだけど…」と不安に思っている→その後のシーンをよく見ると、娘のRoyaltyがCBに入れ替わったLll Dickyの後ろを走り回っている→学校に行かせておらず、放置状態に（笑）
・ビデオのラスト、超豪華なカメオ出演！
※ネタバレとなりますが、カメオ出演が、本当に豪華です！！DJ Khaled が出てきた時は本当にお茶吹き出しそうだったし、締め括りはまさかのお騒がせセレブ一家の一員・Kendall Jenner！意外性抜群でしたね。
さて、今日はこのくらいにしておきますが、紹介したい曲がありすぎて追いつかないのです。
マメに更新していきたいですね。
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